著者: Jimmy Nilsson、 Robert Wallos
金融市場では、規制変更、特にセキュリティプロトコル変更への適応は複雑でコストがかかる場合があります。
リスクを考慮し、多くの銀行や金融サービスプロバイダーではゼロトラストモデルへの移行を進めています。
ゼロトラスト(すべてを信用せずに安全性を検証する考え方)は、アセットへのアクセスをより厳しく管理します。
このアプローチにより、組織がセキュリティシステムのギャップを正確に特定して診断し、規制変更に迅速に適応できるようになる方法を以下に示します。
例: 米国証券取引委員会 (SEC) での規制システムの遵守と完全性 (RegSCI) の大幅な改正
まず、規制変更に適応することがなぜそれほど難しいのかを詳しく見ていきます。 近年、米国証券取引委員会 (SEC) は、規制システムの遵守と完全性 (RegSCI) の大幅な改正を提案しました。
RegSCIの目的は、投資家を保護し、市場の安定を促進することで、重要な市場参加者が運用および技術システムの信頼性と安全性を確保し、規制基準に準拠するために従うべき規則と要件を定めています。
提案された改正は広範囲に及び、セキュリティと可用性の標準に対する監視が強化されるだけでなく、SCI事業体に分類される組織の数も拡大することになります。
新規SCI事業体の初期コンプライアンスコストは高額となるのが現実です。 SECの報告によるとコストは4,500万米ドルあたりで、年間請求額は約2,800万米ドルとなっています。1
しかし、コストは問題の一部に過ぎません。
RegSCIの改正により、資本市場組織は既存のセキュリティプロトコルを満たすだけでなく、それを超えることが求められます。さまざまなリスクシナリオや関連するセキュリティ戦略を実証するために、サードパーティーを含むバリューチェーン全体で机上のシミュレーションを実行する任務が求められる可能性および、サイバー攻撃の潜在的な影響を定量化するよう求められる場合があります。
ここで登場するのがゼロトラストです。