大津 浩司 著
IT運用における改善の余地と「NoOps」
IT運用の現場では、クラウドインフラ利用の増加に伴う管理の複雑化や人手不足、コスト削減の要求などに対応しながら、安定したシステム稼働を維持しなければなりません。このような難題は、今後さらに重くのしかかると考えられるでしょう。
限られた人員でより効率的な運用が求められる中、企業は従来の運用手法を次世代のものへとアップデートしていく段階に差しかかっています。
システムをより堅牢で安定したものにしていくには、運用手法を常に見直し、新たな技術や仕組みを取り入れていくことが重要です。
しかし日本では、システム障害の増加やIT人材不足の深刻化などの問題点を指摘されているにもかかわらず、対応が遅れている企業が少なくありません。見方を変えれば「改善の余地がたくさん残っている」とも言えます。
次のような例のうちいくつかは、ご自身の会社でも身に覚えがあるのではないでしょうか。
- 1万件のバッチジョブを10名のオペレーターが毎晩監視
- セキュリティパッチの適用情報をExcelで管理
- 毎月1,500台のサーバーにログインして、10労働日かけて月次報告書を作成
- 申請書はソフトコピーだが、印刷して手書きの署名やハンコで承認
- 障害発生後に同類事例を検索し、対応を確認
もちろん、このようなIT運用が「あるべき姿」でないことは誰の目にも明らかです。それに対してキンドリルは、IT運用における「嬉しくない」ことをなくす「NoOps=No Uncomfortable Ops」の状態を理想的な姿だと捉えています*。