いつでもどこでもネットワークにアクセスでき、電力とスペースを30%削減
フジテレビジョンでは今回のアップグレードにより、内部運用業務の大幅な改善など働き方改革に関するメリットを享受したと和泉氏は述べます。
「これまで社員は決められた机に向かい、デスクトップPCで仕事を進めていました。しかし、セキュアな有線と無線の機能を導入したことで、従業員が場所と時間に縛られずに作業を進められるようになりました。例えば、会議では、プリントアウトした資料を用意するのではなく、ノートパソコンを各々持ち込むようになりました」
従来、同社ではベンダーにスイッチやPCを提供し、ファイアウォールを設定してイントラネットの一部のみにアクセスできるようにしていました。
キンドリルがサポートした今回のネットワークインフラストラクチャーの刷新によって作業効率は向上し、管理者への負荷は大幅に軽減されました。宮田氏は、専門知識のないユーザーでも、管理画面からから簡単に情報変更、接続制御できるようになったと語ります。また、和泉氏はセキュリティーも格段に向上したと語ります。
「メディア業界では、他ではあまり使われていない掲示板やWebサイトを社員が閲覧しなければならない場面があり、ウィルス感染のリスクが高まることも懸念していました。新しいネットワークでは、イントラネットではなくインターネットのみアクセスできる端末を導入したことで、より安全なIT環境を実現できました」
さらに、最新機器を導入したことで、スペースと電力を30%以上削減し、パフォーマンスを向上させることに成功しています。
「今回のような新技術の導入は、キンドリルが持つ知識やノウハウ、実行力がなければできなかったでしょう。オンデマンドのコンテンツ配信などはすでにクラウドを活用していますが、業務システムのクラウド化も検討しているところです。今回のネットワーク刷新プロジェクトは、そのための土台を作ってくれました」(和泉氏)
同社の業務 IT 推進部シニアマネージャーの黒澤伸氏は、将来の展望について次のように語ります。
「今、我々は全社を挙げて働き方改革に取り組んでいます。我々が目指している働き方改革とは、単に残業を減らすということにはとどまりません。従業員の多様なワークスタイルとマッチしつつ業務効率向上も両立できる方法を模索しているところです。今回のネットワークインフラストラクチャーの刷新によって、必要となる基盤が整ったと考えています。働き改革の実現の一環として従業員にはノートパソコンを配布しており、今後はBYODも視野に入れています」
ネットワークインフラストラクチャーが刷新され、例えば本社ではなくスタジオにいる従業員も、本社と同じポリシーのネットワークに接続して業務を進められるようになりました。そう遠くない未来に、従業員の働き方は大きく変わるでしょう。
2021年10月