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株式会社フジテレビジョン

ネットワークを刷新し、働き方改革やクラウド化を支えるIT環境を強化

フジテレビジョンは東京に本社を置くテレビ局です。主要な事業部門には放送事業、メディアコンテンツ事業、都市開発・観光事業があります。1959年に開局し、放送を開始した同社は、フジ・メディア・ホールディングスの子会社として1,300 人以上の従業員が在籍しています。

ビジネス課題

フジテレビジョンでは、働き方改革や今後取り組むクラウド化を見据えて、よりセキュアで柔軟なネットワークインフラストラクチャーを構築しなければなりませんでした。

トランスフォーメーション

フジテレビジョンは、社員の働き方やクラウドコンピューティング機能の変化に対応しやすい、よりセキュアで柔軟なネットワークインフラストラクチャーを必要としていました。キンドリルの「ネットワーク・インテグレーション・サービス」を活用したことで、「Cisco TrustSec」のテクノロジーをベースにしたネットワークソリューションの設計、導入、移行がスムーズに進みました。その結果、社内の IT システムを全社的に利用できるようになり、利便性と効率性の向上を実現しています。

結果

生産性を向上させつつ30%以上の省スペースと省電力を実現

一元管理により、権限の変更を効率化して運用負荷を軽減

セキュリティーに優れた柔軟なネットワーク環境により、ユーザー自身の設定と場所を問わないネットワーク制御が可能に

アップグレードが必要だったネットワーク

フジテレビジョンは、視聴者に対して良質なコンテンツをシームレスに提供することを使命としています。その一環として、仮想現実(VR)プロジェクトなど、主力事業である放送事業にとどまらない革新的な取り組みを進めています。その中でもクラウドコンピューティングは、すでにこの戦略の一翼を担っており、同社は今後も積極的に使用していく方針を打ち立てています。

2017年頃の同社では、通信量の増加に対して帯域が不足していたことから、既存のネットワークインフラストラクチャーでは対応しきれなくなっていました。ユーザーが会社のどこにいても働けるようには整備されていなかったのです。また、従業員の労働環境改善のために、政府が旗振り役となっている「働き方改革」に関連する技術をアップデートするという課題も抱えていました。

フジテレビジョン技術局 IT 推進センター業務 IT 推進部推進担当部長の和泉正憲氏は、当時のことを以下のように語ります。

「コンテンツの制作、配信と、放送以外の事業展開の準備を並行して進めつつ、さらには社員のワークスタイルの変化にも対応していかなければなりませんでした。このような変化を急ピッチで進めるためには、BYODにも対応可能なセキュアかつ柔軟なネットワーク・インフラストラクチャーの構築が必要だったのです」

同社のグループ会社で、主にネットワーク運用を管理しているフジミックのネットワーク技術部エキスパートの宮田彬彦氏は、ネットワークの不備を補おうとすることで、以前よりもさらに管理が複雑かつ困難になっていったと語ります。

「ユーザーからはネットワークに関してさまざまな要望が上がりましたが、当時のシステムの設計上では根本的に解決できないことも多く、その場しのぎで対応せざるを得ませんでした。必要に応じてファイアウォールや接続回線を追加していたため、どんどん運用や管理が煩雑になっていました」(宮田氏)

ネットワークの利便性および管理性の向上、セキュリティーの強化といった課題への解決と、将来的なクラウド移行への対応に備えて、同社は新しいネットワークインフラストラクチャーへの移行を決定しました。既存の設備をただ更新するだけでは、課題解決には不十分だと判断したためです。

ユーザー・ベースの通信とセキュリティーの強化

フジテレビジョンは、キンドリル(旧 IBM インフラストラクチャーサービス)のネットワーク・サービス・チームと協力して、アップグレードされたネットワーク・インフラストラクチャー・ソリューションを導入しました。キンドリルは同社の既存のインフラストラクチャーを分析した上で、Cisco TrustSecテクノロジーのネットワーク設計と導入サービスが適していると判断、提案したのです。

シスコシステムズのソリューションの1つ「ソフトウェア定義型セグメンテーション」により、IPアドレスではなく特定の端末のIDやユーザーIDに基づいて通信制御を実行。これにより、ユーザーベースのアクセス制御がより容易になりました。また、「Cisco Identity Services Engine」で各 ID のポリシーを一元化することで、運用負荷の低減を実現したのです。もう1つのソリューションコンポーネントである「Cisco Virtual Switching System」は、帯域幅を拡張し、可用性の高いネットワーク環境を構築できる特徴があります。

今回のネットワークインフラストラクチャー刷新にあたっては、最新のテレビネットワークのニーズに対応する必要がありました。同社は従来から提供してきたテレビ番組の放送に加え、インターネット上でもニュース番組を提供しているため、ダウンタイムを最小限に抑えることが重要でした。

そのためキンドリルでは、サーバー側とクライアント側のスイッチを2段階に分けて移行するアプローチを採用しました。その結果、同社の基幹ネットワークの移行は、2時間未満という最小限の移行ダウンタイムで実現できたのです。ここで宮田氏は、ダウンタイムを最小限で抑えられた理由について明かします。

「日本で初めて導入するテクノロジーだったので、苦労した点は多々ありました。しかし、シスコシステムズによるコンポーネントの修正を待つ間、キンドリルがスケジュールを前倒しで作業を進めてくれるなど、柔軟に対応してくれたため大変満足しています」

キンドリルは早い段階から計画を立てており、ソリューション稼動開始予定日の1年前には、基本設計フェーズと広範なテストを実施しました。さらにキンドリルが綿密に構築した戦略にのっとって徹底した検証を計画的に進行。半年にわたって何度も手順を繰り返し、最終的にはすべての作業を成功させたのです。

いつでもどこでもネットワークにアクセスでき、電力とスペースを30%削減

フジテレビジョンでは今回のアップグレードにより、内部運用業務の大幅な改善など働き方改革に関するメリットを享受したと和泉氏は述べます。

「これまで社員は決められた机に向かい、デスクトップPCで仕事を進めていました。しかし、セキュアな有線と無線の機能を導入したことで、従業員が場所と時間に縛られずに作業を進められるようになりました。例えば、会議では、プリントアウトした資料を用意するのではなく、ノートパソコンを各々持ち込むようになりました」

従来、同社ではベンダーにスイッチやPCを提供し、ファイアウォールを設定してイントラネットの一部のみにアクセスできるようにしていました。

キンドリルがサポートした今回のネットワークインフラストラクチャーの刷新によって作業効率は向上し、管理者への負荷は大幅に軽減されました。宮田氏は、専門知識のないユーザーでも、管理画面からから簡単に情報変更、接続制御できるようになったと語ります。また、和泉氏はセキュリティーも格段に向上したと語ります。

「メディア業界では、他ではあまり使われていない掲示板やWebサイトを社員が閲覧しなければならない場面があり、ウィルス感染のリスクが高まることも懸念していました。新しいネットワークでは、イントラネットではなくインターネットのみアクセスできる端末を導入したことで、より安全なIT環境を実現できました」

さらに、最新機器を導入したことで、スペースと電力を30%以上削減し、パフォーマンスを向上させることに成功しています。

「今回のような新技術の導入は、キンドリルが持つ知識やノウハウ、実行力がなければできなかったでしょう。オンデマンドのコンテンツ配信などはすでにクラウドを活用していますが、業務システムのクラウド化も検討しているところです。今回のネットワーク刷新プロジェクトは、そのための土台を作ってくれました」(和泉氏)

同社の業務 IT 推進部シニアマネージャーの黒澤伸氏は、将来の展望について次のように語ります。

「今、我々は全社を挙げて働き方改革に取り組んでいます。我々が目指している働き方改革とは、単に残業を減らすということにはとどまりません。従業員の多様なワークスタイルとマッチしつつ業務効率向上も両立できる方法を模索しているところです。今回のネットワークインフラストラクチャーの刷新によって、必要となる基盤が整ったと考えています。働き改革の実現の一環として従業員にはノートパソコンを配布しており、今後はBYODも視野に入れています」

ネットワークインフラストラクチャーが刷新され、例えば本社ではなくスタジオにいる従業員も、本社と同じポリシーのネットワークに接続して業務を進められるようになりました。そう遠くない未来に、従業員の働き方は大きく変わるでしょう。

2021年10月

「全社を挙げて働き方改革に取り組み、さまざまなワークスタイルに合った効率的な仕事の仕方を模索しているところです」
-  フジテレビジョン

技術局IT推進センター 業務IT推進部長 黒沢伸氏

「前回のネットワーク更新の時に素晴らしい対応をしていただいたので、今回のプロジェクトもキンドリルに依頼しました」
-  フジミック

ネットワーク技術部エキスパート 宮田彬彦氏

「働き方改革や生産性の向上を視野に入れた、フジテレビらしい洗練されたネットワークを構築して、業績に少しでも貢献したいという思いがありました」
-  フジミック

ネットワーク技術部エキスパート 宮田彬彦氏

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