「キンドリルのメンバーは、 私たちの期待に応えるためには高いハードルを課さざるを得ないことを理解してくれています。だからこそ、私たちの成功は、キンドリル の成功とも言えます」
Andy Nason 氏
ボード・ガシュ・エナジー
サービス および インフラストラクチャー部門担当責任者
ボード・ガシュ・エナジーとその顧客は、低炭素社会の実現に向けて動き出しており、新しいデジタルサービスの提供が事業成長の鍵となっています。
Andy Nason 氏のチームは、ボード・ガシュ・エナジーの事業のすべての分野にサービスを提供しています。 アイルランドのサービスおよびインフラストラクチャー部門の責任者であるAndy氏のミッションは、ビジネスの安定稼働をサポートする信頼性の高いセキュアなプロダクションサービスを提供すること、加速し続けるビジネス環境に対応できる変更計画を実行することです。
たとえば、ゼロデイ攻撃に備えたセキュリティ対策は特に混乱を招き、管理するのが困難でした。 「約4年前のことです。ある金曜の夜に突如、身の毛もよだつような電話がかかってきました」とAndy氏は語ります。 「Sky News で、ランサムウェア感染に関する最新ニュースが報道されました。私たちはそれを深刻に受け止め、すぐに30 人以上のチームを立ち上げ、400台以上のサーバーにパッチを当てることにしました。 ちなみにその週末は、チェックポイントの電話対応に少なくとも 20 時間以上を費やしたと思います。この経験は今でも忘れられません」
サービスが安定稼働しないと、顧客を惹きつけ、維持するために求められる、新しいデジタルジャーニーを実現することはできません。
Andy氏は、限界ギリギリの運用から抜け出すために、2011年ごろから、信頼できるパートナーの1つであるキンドリルに支援を依頼。スピード、品質、コスト効率を改善しながら、従業員がよりよく、早く、実力を発揮できるようなソリューションの提案・導入サポートを求めま した。 最も重要な要件は、Andy氏のチームが、変更計画の実行支援により多くの時間を割けるようにするために作業を効率化できるソリューションでした。
Andy Nason 氏
ボード・ガシュ・エナジー
サービス および インフラストラクチャー部門担当責任者
「キンドリルは、IT サービスマネジメントのスタックを追求し、Red Hat®Ansible®による自動化とツール活用、そしてServiceNow プラットフォームとの統合により、イベント管理をエンド・ツー・エンドで処理することを提案しました。 この計画には、セキュリティパッチの自動化も含まれています」と Andy氏は説明します。
キンドリルは、Red Hat® Ansible® Automation プラットフォームを活用することで、イベントとアラート管理、 およびすべてのセキュリティコード制御を段階的に自動化しました。 その結果、ボード・ガシュ・エナジーの IT 資産全体でも前例のない安定性を実現しました。 実装から 2 年後の 2021 年までに、このソリューションは、ServiceNow における全問題の 72% を自動診断し、その内40% を Ansible プレイブックを使って自動解決しています。 優先度 1 のインシデントは 、2018 年の 31 件から 2020 年は0件に減少し、優先度 2 のインシデントは 2018 年の 469 件から 2020 年は0件になりました。 2021 年現在でも、優先度 1 のイベントは0件を見込んでいます。 エンド・ツー・エンドの自動解決により、トラブルチケットは数秒で解決することが多くなり、Ansible のトラフィックの 20~30% はほぼ見えなくなっています。 Andy 氏のチームは、メンテナンスの負荷から解放され、より一貫してビジネスパートナーのニーズに応えることに注力できるようになったのです。
セキュリティ運用チームからゼロデイ脆弱性の警告が出され、早急に 3 つのパッチを適用しなければならなくなったときに、このソリューションの真価が発揮されます。
「キンドリルのチームメンバー 2 人がすべてのパッチを用意し、準備が整ったことを知らせてくれました」と Andy氏は語ります。 「一度ボタンを押すだけで、300 台以上の Windows サーバーにパッチが自動的に 適用されます。 これにより、全工程は 6 時間以内で完了します」
ゼロデイイベントの簡略化もさることながら、Ansible による自動化により、従来6 週間かかっていた四半期パッチ適用サイクルが、月/2日に短縮されました。現在では、サーバーの健全性、セキュリティ、コンプライアンスのチェックはすべて Ansible のプレイブックで自動化されており、インシデントアラートの量は 30% 減少しています。
新型コロナウイルス感染症の大流行、国単位でのロックダウン、異常気象、スタッフの配置転換など、ビジネス全体の不確実性が高まる中、Andy氏とキンドリルのチームは、ビジネスの継続的な改善を目標にしていました。 その一環として、資産全体を 1 つのビューで表示できる新しい AIOps ツールキットを展開することで、担当者は AIOps ツールからのデータフローを毎週確認できるようになりました。
例えば、ディスクスペースのクリーンアップなど、同じサーバーの同じ問題を繰り返し修正することで、本来もっと多くのリソースを費やすべき自動化の事例を明らかにしました。また、このような実用的な洞察を得ることで、キンドリルチームはより効果的に自動化を行うことができるようになりました。これらの洞察に基づいて、チームは新規または修正された Ansible プレイブックで対応することが可能です。
さらに、ボード・ガシュ・エナジーがより多くのワークロードをクラウドに移行すれば、同様のツールも追随し、大幅なコスト削減につながる消費プロファイルの見える化につながります。
このような自動化は、Andy氏の日常業務にどのような影響をもたらすのでしょうか。 「緊急の問題が発生した場合でも、キンドリルのキーパーソンたちが数分で対応してくれます。 なぜなら、技術的な分野で主導権を握り、現状を把握するためのバッファが、キンドリルメンバーの1日の中に含まれているからです」と Andy氏は言います。
その結果、 繰り返されるメンテナンス作業から解放され、これまで以上に良好な関係を構築したボード・ ガシュ・エナジーとキンドリルによる強力なパートナーシップは、ビジネスにさらなる価値をもたらします。
このパートナーシップの一例が、貴重なデータを保持するために必要な Kyndryl Storage as a Service ソリューションです。 キンドリルは、使用量に応じて支払うストレージリソースをあらかじめ提供するとともに、インフラストラクチャーの所有、サポート、プロビジョニングの責任を負います。
「コアチームがすぐそばで常にプロジェクトに集中してくれたおかげで、まるで移行作業自体が存在しなかったかのような驚異的なスピードで作業を完了できました。 非常に複雑な移行でしたが、キンドリルはダウンタイムもなく、業務にも影響を与えず支援してくれました」と Andy氏は言います。 「移行後も安定稼働を続けています。 お客様からも好意的なフィードバックばかりいただいています」
キンドリルが設計、ランディングゾーンの構築、サービスの運用を担当。Andy氏は ボード・ガシュ・エナジーのシステムをすべての自動化とツールの活用を含めMicrosoft® クラウドプラットフォームに移行しました。 チームはすでに Ansible を使用して、ランディングゾーンを構築しています。 「ビジネス上の課題を互いに共有し合うなど、最良のパートナーシップを築くことができました」とAndy氏は締めくくりました。