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人権に関する方針

2022年12月

はじめに

私たち、キンドリルという世界最大のITインフラサービスプロバイダー事業の中心は『人』です。当社のビジネスは、すべての人にとって持続可能かつ公正な未来を促進させるという責務を背負い、そのビジョンを実現するために邁進しています。世界のミッションクリティカルなITシステムとサービスをモダナイズするという当社の使命は、これらをマネージ(管理)することにより、人類の進歩を後押しするだけではなく、責任持って公平に遂行することにあります。私たちは、人々が現在そして未来の差し迫った問題に対処するうえで必要な革新を推し進めるために、その力を高めるためにテクノロジーを活用すべきであると考えています。私たちの事業、製品、サービス、人間関係において、すべての人権を尊重することは、この目標を成功させるための礎となります。キンドリルは、世界60カ国以上で事業を展開する新しい独立企業であり、市民、文化、経済、政治、社会に関わるすべての人権を尊重することを約束します。

キンドリルは、世界人権宣言や以下の国際人権基準などの国際基準を当社の戦略並びに報告書(いずれも英語)に適用しています。

例年、更新される国際基準や業界のベストプラクティスを参照し、当社の人権に関するアプローチや方針を毎年見直すことを標準化しています。

 

人権に関する方針の策定
キンドリルのビジョンは、人とテクノロジーが交差する場で、ポジティブな変化をもたらす触媒となることです。公正なオペレーションを実現するために、データプライバシー、サイバーセキュリティ、データスチュワードシップなどの方針の問題、およびサプライチェーン管理などの従来の事業課題を『人権』という視点から評価し、それらの課題がテクノロジーや事業によってどのように影響を受けるのかを特定できることを目指しています。当社全体においてテクノロジーと事業の水準を高めることで、テクノロジー業界全体が人権問題をESG課題の最重要事項として位置づけ、テクノロジーが世界中の人々に及ぼし得る悪影響を軽減できるように呼びかけていきたいと考えています。当社のテクノロジーや事業を定期的に評価し、重要な人権問題に焦点を当て充て、キンドリルのESGおよびCSRの年次報告書の一部として、これからも継続的な進歩を実証していく予定です。

キンドリルの人権に関する方針は、テクノロジーが人々に影響を及ぼすための最も重要な方法と、テクノロジーサービス企業としてどのように悪影響を軽減できるかを特定するための人間中心のアプローチで策定されています。企業の社会的責任(CSR)、人事、調達、法務など複数の部門によって構成されたキンドリルチーム、さらに外部の人権専門家の助力を得て、市民、文化、経済、政治、社会の領域にわたる人権問題に対応する方針を構築しました。広範な人権戦略の一環として、当社の方針が人権の優先課題やベストプラクティスと整合するよう、ステークホルダーや権利保有者にも関与を呼びかける予定です。

 

人権問題の特定
テクノロジーサービス企業としての業務、製品、サービスを支えている社員一人ひとりよるキンドリルの成功は、サプライヤーの身体的・精神的な安全なくしては実現できません。マテリアリティアセスメントやステークホルダー調査の結果において、サービス企業としての当社の事業の性質から、当社の製品およびサービスの利用と用途が人権に最も影響を及ぼす要素であると結論づけました。さらに、広範な人権戦略の一環として、サプライチェーンと多様性、インクルージョンの問題も優先課題であると認識しています。マテリアリティアセスメントの結果全文は、Kyndryl.comの「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)」に掲載されています。キンドリルは、今後の人権評価を通じて人権リスクを監視し、必要に応じて優先順位を調整する予定です。

 

人権に関する方針
当社の目標は、事業活動を通じてすべての人々の人権を保護・尊重し、お客様、サプライヤー、パートナー、従業員からなるエコシステムと関連するベストプラクティスを共有することです。以下の考え方に示される当社のエコシステムにおいて、人権侵害および侵害への加担を徹底的に回避することを約束します。

 

人権問題に関するキンドリルの社内方針
キンドリルは、労働、健康と安全、コミュニティへの参画、児童労働に関する企業行動を規定する方針を制定しました。その一例として、強制労働、奴隷労働(債務による拘束を含む)、年季奉公、囚人の非自主的労働を利用しません。また、児童労働を利用しません。最低賃金、安全な労働環境、その他雇用要件などに関するすべての法律を遵守します。当社のグローバルな雇用基準とキンドリルの行動規範(英語)を照らし合わせ、もしキンドリルの基準と国際・国内基準が一致しない場合は、最も厳しい国際的な人権基準を正とすることを約束します。人権問題に対処するために実施している手順および管理方法の詳細については、本書の後半で定義しています。

キンドリルは、従業員やサプライヤーが懸念や問題を報告できるよう、正式な苦情処理や救済プロセスを確立しています。このフォーラムは匿名で、人権やその他の倫理的違反の報告に利用することができます。キンドリルは、経営陣に対して問題を提起する人物の保護及び奨励するために、厳格な非報復方針を採用しています。

 

キンドリルのサプライヤーに適用される手続き
2022年1月1日付で、当社はレスポンシブル・ビジネス・アライアンス(以下、RBA)に加盟しました。これは、当社の人権問題へのコミットメントにおける重要な歩みとなるものです。RBA行動規範に基づき、キンドリルはサプライヤーに対して、直接的・間接的を問わず、あらゆる形態の強制労働や人身売買を禁じ、サプライチェーンがこれらの問題に取り組んでいることを検証あるいは証明するよう要請しています。キンドリルは、サプライヤーに対して、各国の法律やRBA行動規範に則り、奴隷制や人身売買に関する法律の遵守を証明するよう要請します。現在、サプライヤー行動規範の一環として、サプライヤーがキンドリルに関わる違法または非倫理的な状況を確認した場合、又はそのような状況である疑いを確認した場合、『キンドリル購買オンブズマン 』に報告する手順を備えています。

RBAは、人権侵害のリスクが高まっている国を特定し、コンプライアンスを支援するためのトレーニングやツールを提供しています。キンドリルは、リスクレベルに基づき地域レベルでコンプライアンスを評価することで、当社が事業を展開する多様な地域全体において効果的にリスクを管理し、それらの軽減を可能にします。将来的なコンプライアンスを評価し、サプライヤーによる人権侵害への加担を避けるためにも、キンドリルはRBAガイドラインを組み込んだ独自の監査プロセスを策定し、根本原因を追及することですべての規範違反に対する推奨是正措置を決定し、違反のリスクが高い国の企業の部門横断チームに呼びかけ、苦情処理手続きを進めていく予定です。サプライヤーがRBA規範に違反した場合、そのサプライヤーは違反を是正するための措置を取らなければ契約を解除される可能性があります。将来的には、サプライヤーがRBA規範を遵守しているかを評価するためのパフォーマンスベース指標を確立させ、既存のサプライヤーとの契約を維持するか、将来的に発注を継続するかなどを考慮する際に利用する予定です。

 

方針:遵守のための方法
監査および告発調査
キンドリルは、人権基準に対するすべての違反に対して、根本原因の分析と是正措置の実施を要求し、従業員およびサプライヤーにおける人権侵害の申し立てに対処するために、以下のような苦情処理手続きを確立します。  

トレーニング
責任ある事業運営へのコミットメントの一環として、当社は毎年、全世界の全従業員が「キンドリル行動規範」の倫理トレーニングを受講したことを証明するよう求めています。キンドリル行動規範と倫理ガイドラインの詳細については、こちら(英語)をご覧ください。現在キンドリルは、データプライバシー、サイバーセキュリティ、データスチュワードシップなど、新興テクノロジーに焦点を当てた政策課題に関するトレーニングを提供しています。
キンドリル行動規範に関する社員研修に加え、RBAとの契約により、調達やサプライチェーンの専門家にもトレーニングを提供しています。将来的には、経営幹部やさらに広範囲な従業員がテクノロジー産業に関する人権問題について学ぶ機会を設けるためのトレーニングを拡大させる予定です。

 

ガバナンス体制
キンドリルの人権に対するアプローチは、当社の方針と慣習が効果的に実施されることを保証するための強力なガバナンスモデルを礎としています。キンドリルのグローバル・コーポーレート・アフェアーズ担当バイスプレジデントは、人権関連の活動を監督し、この方針の下でキンドリルのイニシアチブの年次レビューを実施し、進化する業界標準を監視する責任を負っています。また、このグローバル・コーポーレート・アフェアーズ担当バイスプレジデントは、キンドリルの最高幹部およびその他の経営幹部が参加するESG執行委員会の委員長を務めています。この委員会は毎月開催され、ESG課題の進捗状況を確認しています。

 

人権尊重のさらにその先へ:業界全体の意識を向上
キンドリルは、研修やソートリーダーシップを通じて、人権問題やそれを軽減する方法についての認識を高めるために、当社のエコシステムの水準を高めることを約束します。
この方針は、人権問題への取り組みに向けた重要な一歩となります。キンドリルは、より広いエコシステム、非営利団体、学術機関と手を取り合い、人とテクノロジーの交差する場所で新たに発生する人権問題をより深く理解することを目指しています。これらのパートナーシップを通じて、従業員、サプライヤー及びお客様だけではなく、当社のテクノロジーを日々活用している世界中の何百万人もの人々の人権問題に対する認識を高めていくことを目指しています。

よくある質問

人権とは何ですか?
人権とは、人種、性別、国籍、民族、言語、宗教、その他いかなる条件にも関係なく、すべての人間に固有の権利です。人権には、生命と自由に対する権利、奴隷制や拷問からの解放、意見と表現の自由、労働と教育を受ける権利など、さまざまな権利が含まれます。すべての人は、差別されることなく、これらの権利を持つことができます。

人権に関する方針は、国際的な人権基準を尊重するという組織のコミットメントを確認するための公的な声明であり、当社の最初の人権に関する方針は、「人とテクノロジーの交差する場で前向きな変化をもたらす触媒になる」という当社の目標の達成に向けた重要なステップとなるものです。
 

「キンドリルの人権に関する方針」とは何ですか?
キンドリルの人権に関する方針は、当社の事業が人々に影響を及ぼすための最も重要な方法と、テクノロジーサービス企業としてどのように悪影響を減らすことができるかを特定するための人間中心のアプローチで策定されています。

キンドリルのビジョンは、人とテクノロジーが交差する場において、前向きな変化をもたらす触媒となることです。公正なオペレーションを実現するために、キンドリルの人権に関する方針は、データプライバシー、サイバーセキュリティ、データスチュワードシップなどの方針の問題、およびサプライチェーン管理などの従来の事業課題を『人権』という視点で評価し、それらの課題がテクノロジーや事業によってどのように影響を受けるのか検証していきます。

テクノロジー業界全体が人権問題をESG課題の最重要事項として位置づけ、テクノロジーが世界中の人々に及ぼし得る悪影響を軽減できるように呼びかけていきたいと考えています。当社の事業をさらに評価し、重要な人権問題に焦点を当て、継続的な進歩を実証し、キンドリルの年次ESGおよび企業責任報告の一部として、進捗状況をより詳しく共有したいと考えています。
 

人権問題とキンドリルのビジネスには、どのような関係があるのでしょうか?
サービス企業として、当社のビジネスの成功は当社の業務、製品、サービスを支えている社員一人ひとり、およびサプライヤーの身体的・精神的な安全なくしては実現できません。マテリアリティアセスメントやステークホルダー調査の結果に加え、サービス企業としての当社事業の性質から、当社は人権を尊重することが、すべての人にとって持続可能で包括的な未来を実現するためのキンドリルの環境社会ガバナンス(ESG)戦略において不可欠な要素であると考えています。

キンドリルの使命は、世界のミッションクリティカルなシステムとサービスのモダナイゼーションと管理を通じて、人類の進歩を後押しすることだけでなく、それらを責任を持って公平に遂行することです。私たちは、人々が現在そして未来の差し迫った問題に対処するうえで必要な革新を推し進めるために、その力を高めるようテクノロジーを活用すべきであると考えており、お客様、サプライヤー、パートナーからなるエコシステムと関連するベストプラクティスを共有し、奨励していきます。当社の事業、製品、サービスにおいて、すべての人権を尊重することは、この目標を成功させるための礎です。
 

人権侵害や苦情を報告する手順とは、どのようなものですか?キンドリルは、人権に関する苦情に、どのように対応していますか?
キンドリルは、従業員やサプライヤーが懸念や問題を報告できるよう、正式な苦情処理や救済プロセスを確立しています。このフォーラムは匿名で、人権やその他の倫理的違反の報告に利用することができます。
 

サプライヤー行動規範(英語)の一環として、サプライヤーがキンドリルに関わる違法あるいは非倫理的な状況を確認した場合、又はそのような状況である疑いを確認した場合、『キンドリル購買オンブズマン』に報告する手順を備えています。