革新的な金融機関への転換を目指す
クルンシィは、資産、融資、預金においてタイ国内で最大規模を誇るユニバーサルバンクの1社です。国内で最も革新的な金融機関の1社になるという目標を掲げ、同社ではデジタルバンキングのリーダーになるための戦略的計画を発表しました。それに伴い取り組んでいたのが、モバイルバンキング、人工知能、デジタルバンキングの取り組みを支える安全でレジリエンシーの高いクラウド対応のテクノロジーインフラストラクチャーの構築でした。また、顧客サービスと運用を合理化するためのデジタル化や自動化も計画しています。
クラウド対応の技術革新でイノベーションを実現
こうしたクルンシィの成長とデジタルバンキングに重点を置いた未来のロードマップをサポートするため、キンドリル(旧IBMインフラストラクチャーサービス)は長期的なITパートナーとして、多くのソリューションとサービスを同社に提供してきました。
キンドリルとクルンシィは2012年に初めて協業関係を結び、それ以降IaaSの分野に注力してきました。両者の広範囲にわたるコラボレーションは、フラッシュを含むメインフレームとストレージやサーバー、ネットワーク、ATMなどのマネージドサービスにまで及びます。このパートナーシップの目的は次の通りです。まず、クルンシィのテクノロジープラットフォームに安定性をもたらすこと。さらに同社のデジタルトランスフォーメーションのビジョンを支えるクラウド対応インフラストラクチャーを構築できる能力を提供することです。
クルンシィは、クラウド対応のテクノロジーインフラストラクチャーへの刷新をキンドリルに依頼しました。キンドリルはID&アクセス管理、ネットワーク統合、データセキュリティ、ロギング、またガバナンスを確保するためのフレームワークを提供するAWS上での安全な環境を設計・実装しました。また、クルンシィのクラウドアーキテクチャー要件に準拠しながら、将来的にAWSのインフラストラクチャーを容易に展開するため、再利用可能なパターンも提供しています。ランディングゾーンのセットアップが完了した後、クルンシィの最初のアプリケーションをAWSに移行しました。
キンドリルは、システム管理におけるベストプラクティスの採用、クラウド・センター・オブ・エクセレンス(CCoE)の構築、オンプレミスからのアプリケーション移行のプロセス開発を支援しました。こうした一連の支援により、クルンシィはDevOpsでも成果を挙げ、運用改善を実現しています。
キンドリルでは現在、AWS上で稼働するインフラストラクチャーとクルンシィのアプリケーションを支援するにあたり、24時間365日の管理サービスを提供しています。同サービスには運用監視、OS管理、運用、パッチ適用、ヘルスチェックなどが含まれ、クルンシィのセキュリティポリシーに準じた可用性と安全性を保証しています。また、コスト管理やAWS環境のセキュリティ強化についても、キンドリルは継続的に同社をサポートしています。
こうしてクルンシィでは、いくつかの重要なアプリケーションをAWSへ移行させることに成功しており、現在もキンドリルの支援によりさらなる移行を計画しています。
デジタル・バンキング・サービスを強化する
安全なクラウド対応インフラストラクチャーを構築
キンドリルとの長年のパートナーシップによって、クルンシィではクラウドジャーニーの中で多くのマイルストーンを達成してきました。その成果の例は以下の通りです。
・全社的な統合により自動化されたオーケストレーションとプロビジョニング
・コスト、資産、使用率の一元管理
・現行のアプリケーション・セキュリティー・モデル(境界セキュリティー)をクラウド上のアプリケーションにも拡張
・クラウドネイティブな一連のツールを用いたアプリケーション開発の加速
クルンシィは、キンドリルとのパートナーシップを継続し、より長期的なクラウドコンピューティング戦略を実行していきます。
2021年11月