世界最大のITインフラサービス企業であるキンドリルとUnited Way Worldwideが、十分に教育的な環境が整っていないコミュニティでのSTEM教育を通じて、変化をもたらす取り組みをグローバルで推進している様子を紹介

 

美しいビーチと緑豊かな熱帯雨林で知られる中米の国、コスタリカは、テクノロジースキルの分野でも急速に注目を集めています。

コスタリカ政府は、他の国々とも同様に、国民のテクノロジースキル開発を優先事項にしています。2023年、キンドリルとUnited Wayは、ラテンアメリカの学生と教師に科学、技術、工学、数学(STEM)トレーニングを紹介するボランティア活動を開始(英語)しました。

今回のパートナーシップによる活動は、キンドリルのソーシャルインパクトへの取り組みの一環であり、その成果が早くも表れています。特にSTEMプログラムに参加したマリアのようなコスタリカの女子学生たちにとっては、数学に対する興味を新たに抱くきっかけとなりました。マリアは、キンドリルとUnited WayのSTEM推進活動によってプラスの影響を受けた2,800人の学生と教師のうちのひとりであり、数学が日常生活や、それを応用できる進路につながることに気づいたと述べています。

現在、両組織はこのプログラムをラテンアメリカ以外にも展開することで、パートナーシップを強化しています。

United Wayの国際ネットワーク担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるソーニャ・アンダーソン博士は、キンドリルと提携することで6カ国において学生のSTEMスキルを向上させることができると述べました。

アンダーソン博士は以下のように述べています。「どんな場所にいる若者でも、特に小学校や高校でSTEMに早い段階から関心を持たせることで、彼らが興味の対象を発見できるようになり、それが新たなキャリアのチャンスにつながることになります。キンドリルとのパートナーシップは、質の高いSTEM教育やプログラムへのアクセスを向上させ、特に低所得世帯や十分な教育を受けていない地域の学生の機会格差を解消し、誰もが将来の労働力として成功するためのスキルを身に付けられるようにすることを目的としています」

本文では、キンドリルのソーシャルインパクト担当バイスプレジデントであるパム・ハッカーとアンダーソン博士が、学生に先端テクノロジーを提供することや、未来のイノベーターを刺激すること、そしてさまざまな地域で永続的な影響を生み出すことについて率直に話し合う様子をご紹介します。

 
ハッカー: STEM分野のスキル格差は世界的な課題であり、その原因の多くは、恵まれないコミュニティにリソースが不足していることにあります。キンドリルとUnited Wayは、どのようにしてテクノロジーに恵まれないコミュニティにテクノロジーを提供しているのでしょうか?

アンダーソン博士: United Wayは、教育を通じて個人と地域社会を強化するという取り組みに共感し、志を同じくする団体と提携しています。キンドリルの支援により、United Wayは日本、スペイン、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、コスタリカの6カ国で、STEM学習を通じて次世代を育成できるようになりました。昨年、United Wayとキンドリルの従業員によるAprendamos STEM(訳:STEMを学ぼう)という活動を通じて、STEM関連産業に就職するためのスキルを身につけられるように支援することで、何千人もの若者や教師にプラスの影響を与えることができました。人々が団結して行動すれば、すばらしいことが実現するのです。

 
ハッカー:協力して行動することに加えて、プログラムを現地のニーズや教育レベルに合わせて調整していることが、私たちのパートナーシップの成功につながっています。STEMプログラムをさらに多くの国に拡大していく中で、プログラムが各国にどのような影響を与えるかについて教えてください。

アンダーソン博士: それぞれの国で、現地のUnited Wayがキンドリルと提携して、文化に配慮しながら、現地特有のニーズやギャップ、機会を反映したプロジェクトを実施しています。

スペインに拡大した「Tech4All」プログラム(英語)は、未来を切り開く若者たちとテクノロジーツールを結びつけるものです。メキシコシティでは、12~16歳の学生を対象としたSTEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)プログラムの「Boosting STEAM」を実施しています。アルゼンチンでは、学生がキンドリルのメンターとペアを組んで、創造力、デザイン力、批判的思考力を駆使して地域的・世界的な問題を解決しようとしています。コスタリカでは、複数のSTEAMステーションで構成される4日間のイベント「STEAM Rally」が開催され、学生たちが実践的な学習に参加することで力をつけています。

そして日本では、ワッフルカレッジと提携し、女子学生やノンバイナリーの学生のテクノロジースキルの向上を支援することで、テクノロジーやエンジニアリングにおけるジェンダーギャップに取り組んでいます。

テクノロジーへの障壁を解消してSTEMへのアクセスと接触を増やすことは、デジタルの平等を実現するうえで重要な要素になります。United Wayがこうした地域の学校での中退率を下げ、学生がテクノロジー関連の職業に就けるようにするための取り組みのひとつに、デジタルの分断を解消することがあります。

In partnership with the United Way, Kyndryl employees regularly volunteer to help foster the next generation of tech talent in Latin America.

ハッカー:この活動は、差し迫った社会的ニーズの核心に迫るものです。今後の展望として、STEM分野の人材増加を図り、世界中の若者の活気を生み出すことの重要性についてお聞かせください。

アンダーソン博士: 世界経済は、イノベーションを起こし、未来へと導いてくれる有能なSTEM人材の増加に頼らざるを得ない状況になっています。それにもかかわらず、若者には依然として障壁が立ちはだかっています。ラテンアメリカでは、STEMのキャリアを追求するために必要な最低限の学力基準を満たしている学生は、全体のわずか30%にすぎません。同様に、OECDのデータによると、日本の女子学生は科学や数学で優秀な成績を収めているものの、技術やエンジニアリングの雇用においては男女格差が依然として存在しています(英語)。

これらの対象国の学生は、より多くのアクセスや、より強力なデジタル・スキル、そして公平性の障壁を克服するのに役立つ経験に触れることで、直接的なメリットを得られることになります。私たちは、このようなパートナーシップと、影響力のある活動を可能にしている多くのキンドリルのボランティアの皆さんに感謝しています。

ソーニャ・アンダーソン博士

United Way 国際ネットワーク担当エグゼクティブ・バイスプレジデント

パム・ハッカー 

キンドリル ソーシャルインパクト担当バイスプレジデント

当お知らせ記事は、2024年8月23日(米国東部時間)にKyndrylが発表したお知らせ記事の抄訳です。 原文は下記URLを参照してください。 
Inside Kyndryl and United Way’s bold plan to narrow STEM skills gap

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